ready to fish?
2016年4月14日 21時26分 最大震度7
4月16日 1時25分 最大震度7
あの日起こった悲劇と、あの日からはじまった感謝を僕らは忘れない
2016年4月14日21時26分、同月16日1時25分、最大震度7の凄まじい揺れが立て続けに熊本県を中心に襲いました。
震源地である益城町、西原村を中心に、阿蘇市など多くの町で人は住む家を失い、さっきまで美しさを保っていた山肌は大きく崩れ、大自然の持つパワーの前に、人の無力さを痛感しました。
熊本城や阿蘇神社など、熊本が誇る数々の文化財も損壊、倒壊し、交通インフラも寸断され、水道、ガス、電気のライフラインも壊滅的打撃を受けました。食料や生活物資はスーパーから消え、多くの人が車中泊や避難所での生活を余儀なくされました。
私たち、熊本で活動をしているバス釣り団体「熊本ネットバサーズ」のメンバーの中にも被災し家を失った人もいます。震度4〜6の絶え間なく続く余震を恐れ、車中泊を余儀なくされた人もいます。
そんな悲劇の中に佇むだけの時間ではありましたが、そこには多くの希望や幸福もありました。
福岡のKTW Lures/mibro代表の塚本謙太郎さんは、本震発生直後から連絡をいただき、翌日には生活物資を車に詰め込み、まだ高速道路も寸断された中、熊本の地にやってきてくれました。その後も熊本の仲間をいつも気に掛けてくれ、何度も熊本にやってきてくれました。
同じく福岡のSkillful代表・岡本巧さんも、我々や熊本に住む多くの仲間を案じ、救援物資を運んでくれたり、倒壊した知人の家の片付けの手伝いに何度も出向いてくれました。
痴虫・松本光弘さんも熊本の仲間を案じて、後日顔を見にやってきてくれました。彼の人なつっこい笑顔に、多くの仲間が救われました。
塚本さんの繋がりで、大阪の「エレキの修理屋さん」の河野さんからは、本当に沢山の物資を送ってきていただき、被災しているメンバーはもちろん、物資が困窮していた老健施設、病院等に配布することが出来、大変感謝をされました。
deps社長・奥村和正さんからもメンバーにすぐ連絡があり、救援物資を送っていただきました。
KNB設立以来のご縁でもある、ルアーウェブショップの村田康次さんからも被災直後からご心配の連絡をいただきました。
この他にも、NBCのスタッフの方や、様々なアングラー繋がりで「何か足りない物資はないか」とお電話をいただきました。この未曾有の悲劇の中でも、バス釣りを通じて知り合った「仲間」という意識に接することができたのは、私たちにとってものすごく幸せなことでした。
そして、その善意の気持ちは、全国のバス釣りメーカー、ショップさんで行われたチャリティでさらに感じることが出来ました。
兵庫県の越岡さんが運営するネットショップ「Studio SORA」さんが行ったチャリティTシャツの販売では、本当に全国の多くの方から注文が殺到したと聞きました。そしてその集まった大切な善意を熊本の復興のために寄附していただきました。
「KNBのメンバーとの出会いがなかったら、このチャリティは考えなかった」というStudio SORAさんのチャリティには、被災した私たちも協力させていただきました。
「死ぬこと以外はかすり傷」「私たちよりもまだ多くの人がこの地震で苦しんでいる」そんな思いから、私たちにとってもこのチャリティTシャツは、シンボライズ化されたものとなりました。
これ以外にも多くのバス釣り関連のメーカー、ショップでチャリティグッズの販売や募金活動が行われていたと聞いています。そして私たちが把握できていないのも沢山あるようです。
そんな全ての皆様に、「熊本のアングラーを代表して」なんておこがましいことは言えません。「熊本に住む一人として」全国の皆様に心から感謝を申し上げます。
「Ready to Fish?(釣りに行く準備はできたかい?)」と問いかけられた私たちは、最大限の感謝をもって、こう答えます。
「We'll Get there soon! (すぐに行くよ!)」
全国のみなさんと同じ場所で釣りをするわけではないですが、今回の地震で「アングラー同士」だからという繋がり、絆を感じました。
だからこそ、釣る場所は違えど、みなさんと同じ釣りをするという日常に向かう気持ちをこめて「We'll Get there soon! 」 と笑顔で答えたい。
我々の中でも、すでに釣りに行っている人もいます。大きなバスに出会えた人もいます。
しかし、いまだ被災の影響の中から、釣りに行くことすら困難な人もまだまだ多くいます。
日常を取り戻すまでは、まだまだ多くの時間が必要です。
それでも、私たちは前を向いています。
KNBという団体が活動を再開するのはまだまだ先になりますが、一人一人がアングラーとして再びキャストしはじめました。
釣りに行くことが、魚を釣ることが、全国のアングラーへの最大の「ありがとう」だと信じて、歩き続けます。
最大限の感謝を込めて(敬称略)
そして
全国のアングラーのみなさま
Special Thanks
Ryoji Hata